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空に一番近い場所で。日常のすぐ側で見つけた「ちいさな神聖」
みなさんは、自分が働く場所や暮らす街の「上」を、ふと見上げたことはありますか?
見慣れたアスファルトやオフィスビルの窓、行き交う人々。私たちは日々、どうしても目の前の景色や、手元のスマートフォンに視線が向きがちです。けれど、少し視線を上に向けてみると、そこには日常と地続きでありながら、まったく違う空気が流れる場所があったりします。
ビルの屋上にお稲荷さんがある、粋な理由

実は、私のオフィスがあるビルの屋上には、小さなお稲荷さんがひっそりと佇んでいます。
最初は「どうしてこんな高い場所に、ポツンとお社があるんだろう?」と不思議に思っていたのですが、少し調べてみると、そこには優しくも気高い、日本のビル開発の歴史がありました。
もともとその土地や企業を守っていたお社を、都市開発でビルを建てる際、「神様を見下ろす形になってはいけない(神様の上に人がいてはいけない)」という敬意から、建物の中で最も高い場所である「屋上」にお遷(うつ)ししたのだそうです。
歴史を遡ると、近代建築の先駆けである東京・銀座の三越百貨店の屋上などにも古くからお稲荷さんが祀られており、特に商売繁盛を願う商人の街・大阪では、こうした「屋上のお稲荷さん」が今も大切に受け継がれています。
土地を有効活用して経済を発展させながらも、目に見えないものへの感謝や敬意を忘れない。そんな先人たちの粋な知恵と信仰心が、この青空の下には詰まっています。
都会の喧騒を離れ、心と身体を「調律」する時間
お弁当を食べ終えたお昼休みの後半や、仕事が一段落した休憩時間、私はときどきこの屋上へ上がります。
重い扉を開けて一歩外に出ると、それだけで空気が変わるのがわかります。
遮るもののない広い空、遠くに見える街並み。地上を走る車の音はどこか遠くに感じられ、すーっと通り抜ける風が肌をなでていきます。都会の真ん中とは思えないほどの、静かなお社。
遠くへ行かなくても、癒やしはすぐ側にある
遠くの有名なパワースポットへわざわざ出かけなくても、私たちの日常のすぐ側(しかも、すぐ頭の上!)には、こんなにも心を平穏に、クリアに戻してくれる場所がある。それに気づくだけで、なんだか毎日が少し愛おしく、心強くなる気がするのです。
深く呼吸をひとつ。それだけで、心と身体が心地よく調律されていくのを感じます。
慌ただしい日々だからこそ、意識して視線を上に向け、こうした「ふっと背筋が伸びるような、心地いい静寂」を味方につけていきたいものです。
この記事を書いた人
Hirohi