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「祈りを纏う、小さな旅」——アリメダコレクションで出会うお守りたち

「青い瞳が見守る」——邪視をはね返すナザールの力

店内の至る所に、青い瞳のような模様の飾り物やキーホルダーが!それが「ナザール」です。英語では「Nazar」と綴られ、直訳すると「邪視(Evil Eye)」。トルコでは青い目を「災いや病気をにらむ目」としてお守りにしているそうです。また、他人の悪意や嫉妬が“目”を通して災いをもたらすとされ、その邪視を跳ね返して守ってくれるものとして、玄関や客間、茶の間など来客から見える場所で、外に向けて飾るとのことです。

 

「慈悲の手が招く幸福」——ハムサの手に込められた物語

ナザールと並んで、トルコでよく見かけるのが「ハムサの手」。イスラム教の預言者ムハンマドの四女・ファティマに由来するとされ、彼女は誠実で信心深く、慈悲にあふれた女性として愛されました。その手の形は、魔除け、幸福や繁栄を招くお守りとして。ナザールと組み合わせることで、二重の守護!!無敵感が満載です。

 

旅人を守る石 ——ターコイズ

ターコイズは、空色(スカイブルー)から青緑まで幅広い色合いを持ち、銅や鉄の含有量によって色味が変わる不透明な石で、しばしば黒や茶色のマトリックス(網目模様)が入り、比較的やわらかく傷つきやすいため、加工や取り扱いに注意が必要だそうです。古代エジプトでは約6,000年前から宝飾品や護符に使われ、ツタンカーメンの黄金マスクにも埋め込まれていますよね。ネイティブアメリカンは天空と水の象徴として戦士や旅人の守護、雨乞いの儀式に用たり。現代だと「成功」「繁栄」「友情」を象徴し、持つ人に勇気を与え、旅や人生の道中を安全に導くお守りとして人気がありますし、その澄んだ青で心を落ち着かせ、前向きな力をくれるとされています。

 

「異国の空気を纏う店内」——光と影に包まれた宝物たち

なんばマルイにある「アリメダコレクション」は、トルコの文化やモチーフをぎゅっと詰め込んだ小さな宝箱みたいなお店。大小さまざまなナザールやハムサの手、ショーケースには空と海を閉じ込めたようなターコイズのアクセサリー、色彩豊かなトルコ絨毯が選びたい放題。キラキラ、ユーモア、幻想、ひとつひとつに物語が宿っているような光と影。まるで地中海の市場を旅している?ような高揚感に包まれ、気づけば何時間も店内を回遊してしまう、そんな魅力があります。

   

「守りを身につける」ということ

ナザールも、ハムサも、ターコイズも形や色は違っても、込められているのはきっと「大切なものを守りたい」という願い。この気持ちこそ、国や時代を超えて受け継がれてきた人間の根源的な祈りです。手にした瞬間に自分だけのお守りになる。飾るたび、身につけるたび、ほんの少し背筋が伸び、心の奥にぽわっと灯がともる。今日だって今だってきっと、誰かの日常の中でそっと寄り添い、見えない何かを受け止めてくれる強い味方であり続けます。

「祈りが息づく装飾」——展示会でのひとこま

先月開催した私たちの展示会でも、このお店からお借りした装飾品を空間演出に使わせていただきました。一気に異国の物語が立ち上がるような、最高の展示会となりました!何度も言うように、“祈り”や“信じる力”は、世界のどこにあっても本質は変わらないのだと改めて感じます。人が人である限り、祈りは私たちの根幹にあるもの。そして、その祈りが、ただただ慈愛に満ちたものであってほしい。

 

そんな想いを胸に、私たちは今日も誰かを想い、祈り、日々を紡いでいく。

この記事を書いた人

駒田商店

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