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食べたのはバターサンド。でも、思い出したのはあの午後。——(NO) RAISIN SANDWICHというお菓子の話

レーズンバターサンドという“憧れ”

レーズンバターサンド。ラムの香りとバタークリームと、ねっとり甘いレーズン。「レーズンバターサンド」といえば、誰もが知る定番スイーツのひとつですよね。お土産でも、やたら多いイメージがあるのは私だけでしょうか!?その王道ともいえる組み合わせに、どこか特別感を抱き、大好きな人も多いはず。

ですが一方で、この王道が苦手な人も、実は少なくないのでは?レーズンが無理!!みたいな。皆さん、レーズンは好きですか?YES?NO?ちなみに書き手のわたしは…YESレーズン!!レーズンバターサンド大好きです!今回はそんなお話です。

 

YESレーズンも、NOレーズンも

バターサンドは好きだけど、レーズンがちょっと苦手——。 そんなフードエッセイストでありフードディレクターの平野紗季子さんが手がけたのが、 レーズンと、それ以外の果実を使ったサンド菓子を販売する「(NO) RAISIN SANDWICH(ノー・レーズン・サンドイッチ)」というお店です。 このJournalの後半でもすこし触れますが、控えめに言っても大好きな存在…まずはお菓子の話から!!

 

「嫌い」から誕生した、ノー・レーズン・サンドイッチ。箱の中には、向かって右側が「YES」王道レーズンサンド。向かって左側「NO」には、季節ごとに変わっていく果実のバターサンド。季節の気配をたっぷりまとった果実たちが堂々と主演を張っている感が満載なうえに、美しすぎるシンメトリーな断面図。可愛すぎるそれは「ちゃんとお皿に盛り付けてな!」と言わんばかりに訴えてくるので、かぶりつきたい気持ちを抑えるのです。。。

YESレーズン!レーズン大好き、推ししか勝たん!!って方にはもちろんONLYレーズン・サンドイッチもあるよ。

グランスタ東京で手に入るしあわせ

グランスタ東京店が今年の春に待望の1号店としてオープン。これまではオンラインやPOP UPでの限定販売なうえ、大人気ゆえに売り切れ続出でなかなか購入できなかったお菓子が、東京駅の実店舗でも購入できるのが嬉しすぎます。グランスタ東京限定商品、常温OKの「キャラメルバターサンドイッチ」は手土産としてもぴったり。

東京駅という巨大なハブ駅は交通の要所というだけでなく、人々の記憶や物語がすれ違う、巨大な交差点という意味でもハブ駅なのではないでしょうか。レーズンとそれ以外のサンド菓子とともに、一人一人の楽しい思い出が国内外へ運ばれていくこの場所で、「SWEET MEMORY」とプリントされた、粋で可愛いショッパーが、小さな物語を連れて帰るような体験をさせてくれますよ。

お菓子だけじゃないところも、このお店の魅力。店頭にはなんとオリジナルグッズのガチャも!とてもプレイフル!!美味しい、可愛い、だけじゃない。遊び心までぎゅっと詰まってる!

 

心が動く、すなわち食べるということ

ディレクションをされている平野紗季子さん。フードエッセイストでもあり、『生まれた時からアルデンテ』『ショートケーキは背中から』などがあります。平野さんの言葉がとても好きです。美味しいかどうか?というよりは、その味の奥にある物語を個性的な切り口で紡いでいく彼女の言葉は、まるでメロディーのように耳からも心にすっと入ってくる気がします。

「食べものは“消えもの”だからこそ、何を感じたかを残したい。それができるのは映像でも動画でもなく、“言葉”」と、ある対談で語っていたのが印象的でした。味の奥にある、つくる人の物語、味わう人の物語。そのときの空気、気配、感情。螺旋するように何重にもクロスしていく。食べるということは、一期一会の、二度とない体験なんだ!!って教えてくれます。

この(NO) RAISIN SANDWICHというお菓子も、そんな平野さんの思想が“お菓子”というかたちに翻訳された存在なのだと思います。

最後にこれだけは言いたい

めちゃめちゃ美味しいです。※語彙力ゼロ。平野さんのようなワードセンスの秀逸性ゼロ

頬張りながら思い出したのは、高校生だった自分。お弁当だけじゃ足りなくて、売店で、大きいという理由だけで買っていたレーズンパンとそれ以外の何かをこれでもかってぐらい食べていたこと。まるでスポーツドリンクをゴクゴク飲むように。青春のすべてをかけて、ただ一心にボールを追いかけていたあの頃。

「食べたのはバターサンド。でも、思い出したのはあの午後」

この記事を書いた人

駒田商店

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